流鏑馬を習いたい方へのご案内

公益社団法人大日本弓馬会では、流鏑馬を習いたいという方に対して、まず最初に、神事として流鏑馬を行う「流鏑馬の流派」があること、スポーツとして騎射を行う「いわゆるスポーツ流鏑馬の団体」があること等をお伝えしています。気軽に騎射の体験をしてみたいのか、楽しむためにスポーツとして騎射をしてみたいのか、伝統を守る気概を持って修業の道に入りたいのか、御自身がどのような志を持っているかにより、進むべき道が異なります。
これらのうち、「伝統を守る気概を持って修業の道に入る」ことを志す方には、大日本弓馬会が支援している「弓馬軍礼故実武田流(以下「武田流」)」を御案内しています。
もっとも、神事を行う流鏑馬の流派は複数ありますので、必ずしも武田流のみを勧めるわけではありません。各流派でそれぞれ成り立ち、考え方、技術などが異なりますので、御自身の目で確かめた上で、進むべき道を選ばれることをお勧めします。

武田流

武田流は、武田太郎信義を祖とする武田家が伝えた弓馬の故実のことで、約800年の歴史を持つ流鏑馬における最古の流派の1つです。
大日本弓馬会が支援する武田流は、暴れ馬、速い馬を乗りこなすことを身上とするなど、鎌倉武士が鍛錬に鍛錬を積んだであろう実戦的な技術・気風を旨としています。大日本弓馬会とともに、明治神宮、上賀茂神社、寒川神社、三嶋大社、富士御室浅間神社、鎌倉まつり(鶴岡八幡宮)、小田原梅まつりなどで流鏑馬や笠懸を神事として奉納し、逗子海岸、三浦道寸祭りなど地域のお祭りにおいても、流鏑馬や笠懸を披露しています。
また、海外での流鏑馬公演も行うとともに(直近では2018年5月にトルコ共和国イスタンブル市)、海外から賓客が訪日した際には、日本政府や各国大使館からの要請を受け、流鏑馬を御高覧いただくなど、国際貢献にも力を入れています(直近では2014年4月にオバマ前米国大統領)。
武田流では、流派の流鏑馬、弓馬術、弓馬故実を保存、伝承するという志と、修練に耐える覚悟がある方には門戸を開いています。昨今では日本古来の伝統文化が見直され、見学に訪れる方が多くなってきました。騎射(馬上から弓を射る行為)は大変難しいものですが、乗馬または弓道の経験がなければ入門できないということはありません。また、年齢、性別も問いません。
しかしながら、スポーツではありませんので、ただ馬に乗って多くの的を射れば良いという考えの方の入門はお断りしています。流鏑馬神事の作法に則り、諸役を務め、馬の体調に気を配り、武田流の弓馬礼法を後世に伝える一端を担い、お互いに切磋琢磨して人間性を向上するという自覚を常に持つことが重要です。運動神経や技術の優劣などは問題ではなく、志が一番大事な要素です。武田流門人として幾度も流鏑馬神事に関わるうちに、日本人として誇りを持てるようになることでしょう。

入門には審査が必要です。その前に、まずは通常稽古を3回以上見学していただきます。稽古は毎週日曜日に行われています(行事の開催日は除く)。流鏑馬の華やかさだけに目を奪われるのではなく、流派を支える門人たちの下積みの厳しさまでも御承知いただいた上で、入門について御自身に問うていただくためです。

少しでも御興味がおありの方、悩まれている方は、百聞は一見に如かずです。まずは見学にお越しになることをお勧めいたします。稽古を目の当たりにすることで、大切な一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。
見学を御希望される方は、以下の「見学の申込み」を御参照ください。

 

見学の申込み

e-mailにてお申込みください。
メールには、氏名(本名に限る)、日中連絡の取れる電話番号、居住地(市区町村まで)を御記載ください。加えて、任意で年齢(○歳代まで)、性別、乗馬・弓道の経験を御記載いただければ、見学の際の御案内がスムーズになります。
御連絡をいただいた後、見学の可否について審査をし、可であれば見学可能日を御案内いたします。

連絡先
e-mail   post-kyuubakai@yabusame.or.jp
※宛名として「入門担当宛」と御記載ください。流派の担当者に転送されます。